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お留守わん図鑑 vol.22 〜小型犬の王様?!〜 ミニチュアピンシャー
2019/06/05

散歩中によく出会うミニチュア・ピンシャー。
土手を駆けあがったり、下ったり。

「朝から元気いっぱいですね。トレーニングですか?」と言うと、ミニピンのママさんは、息を切らせながら「違うのよ~。この子は、ただ土手を走りたいだけなの。」

「お姉ちゃんが散歩の担当なんだけど、忙しいから土手ランニングで『時短』作戦。この子は、散歩は土手を走るものと勘違いしてるのよ~。」

ともかく走れば満足してくれる。結局、ご家族全員が交代でミニピンちゃんと土手を走っているそうです。

「おかげでパパは血圧が下がったのよ~」と、ママさん。

小型犬とあなどるなかれ!おそるべし、ミニピン!



 

ミニチュアピンシャーの気質


ミニピンは、愛玩犬としての性格と、活動犬としての性能と肉体的特徴を併せ持つ小型犬種のひとつ。
愛玩犬としては、ご家族に対する愛情が深く、積極的にふれ合いを求め、テリトリー意識や警戒心が強いところ。
活動犬種としては、コンパクトながら筋肉質な体と俊敏で体を動かすのが大好きなところ。


愛玩犬としての特徴がよく見られるのは家庭内。
常にご家族を観察し、ついて回ります。
ご家族がソファーに落ち着くと、体を密着させて「撫でて」とアピール。
前述のママさんは「他の犬種だと自分に注目させようとするけど、ミニピンは自分が気持ちよく過ごすことが大事みたいよ」と笑っておられました。


また、新しいオモチャや獲物をゲットすると、見せびらかします。
頭を高く上げ、胸を張り、足を高く挙げる歩き方は特徴的。
凱旋パレードのようで、これも「小型犬の王様」とも称される由縁かもしれません。


活動犬種であることの証拠は、走ることに特化した高性能ボディー。
また、思い切り走った後に見せるキラキラした笑顔は「余は満足じゃ」と言わんばかり。
ご先祖は農場を走り回っていただけあって、屋外運動は、彼らにとって特別楽しいようです。

活動犬種の好奇心旺盛で遊び好き、また活発な性格に対して、自宅でまったり寛ぐ愛玩犬の姿との「萌えギャップ」に、胸をキュンとさせるご家族も多いそうです。

 

ミニピンのしつけ

なお、この犬種と長年暮らす海外のご家族は「しつけやトレーニングは必要」と言います。
屋外でリードを外すと呼び戻せない、覚えが速いのに教えた指示に従わない。
自己主張が強く、ご家族に向かって吠える、唸る、または、ご家族の顔や体に(噛むのではなく)歯を当てる等。
「決して攻撃的な性格ではないけれど、家族に対して支配的な態度を見せることがある」そうです。


「単にワガママなだけじゃない?」とお考えになるかもしれません。
しかし、海外のご家族は、放置すれば、吠え癖など問題が悪化・拡大する可能性が高いと指摘。


ミニピンは、歴史的に人間とふれ合う機会が少なかったと言われます。
自分で獲ったネズミなどを餌にしていたため、人に褒められたり、認められたりすることは、彼らにとっては、さほど重要ではなかったとも。
異なる犬種との交配を経てペット犬種となった今も、独立独歩の態度を見せることがあります。

 

ご家族がリーダーだと教える手始めはマッサージから。
ご家族が床に足を伸ばして座り、膝の上にわんちゃんを仰向けにして抱っこ(わんちゃんは、下からご家族の顔を仰ぎ見る体勢)。

頬や首筋、胸からお腹にかけて優しく撫でて、わんちゃんをリラックスさせます。
体のどの部分を触られても、安心して身を任せるようであれば、第一関門はクリア。

海外のブリーダーさんは「愛情と厳しさのバランスが大切」と仰います。
「小型犬がすることだから被害は小さいと甘い顔ばかりしていては、犬は家族のリーダーシップを認めない。できるだけ犬が若いうちに、しつけやトレーニングを始めるべき」。

時間と手間はかかるものの、しつけやトレーニングを通じて互いに理解でき、わんちゃんの精神状態も安定して問題行動が減るそうです。

 

 

ミニピンとお留守番


この犬種に分離不安が多いかどうかについては、意見が分かれます。
ブリーダーさんでも「長時間留守番させてはいけない」、逆に「6~8時間までのお留守番なら大丈夫」という方もいます。
この犬種と暮らす海外のご家族は、以下のような症状や問題行動を報告されています。


・ウロウロ歩く、耳を倒し、尻尾を股の間に入れて怖がる様子を見せる
・隠れて出てこない
過剰なヨダレ、震え、失禁
・食欲不振
・過呼吸(ご家族の出発前~出発時)
・クンクン鳴く、声が枯れるまで吠える、遠吠えする(ご家族の出発時~出発後)
・家具やドア等、かじってはいけないものをかじる、クッションを破く、
・教えられた場所以外で排泄する
・脱走(以上、お留守番中)
・異常に興奮する、飛びつく(ご家族の帰宅時)


最も注意すべきなのは、失禁や排泄の失敗。
失禁は、糖尿病や泌尿器疾患が原因かもしれません。
まずは、動物病院で医学的な問題がないことを、ご確認ください。

これらの症状や問題行動の原因として、医学的な問題以外でも、「排泄トレーニングの不足」や、「退屈」「分離不安」などの心理的な要因が挙げられます。


ミニピンは「排泄のルールをなかなか覚えない」と聞きます。
また、他犬種に比べて、体内で排泄に関わる器官の成長に時間がかかることが指摘されています。

肉体的疾患による失禁は元より、成長を終えるまでの排泄の失敗は、しかたがないこと。
ご家族が治療を受けさせ、辛抱強くトレーニングを続けるしかありません。

 

これらが原因の場合、叱ることは逆効果。
わんちゃんに余計なストレスや不安を与え、排泄を我慢するようになります。
その結果、クローゼットやTVの裏などに隠れて排泄する癖がつく、膀胱炎など泌尿器の病気になるなど、さらに深刻な問題へと発展しかねません。
医学的な問題がなければ、心理的要因の可能性を探っていきましょう。


「かじってはいけないものをかじる」などの破壊行動や「脱走」「異常な興奮」は、分離不安でも退屈でも見られる問題行動。
放置すると別の問題行動を引き起こすケースもあるそうです。
早めに原因を見極め、わんちゃんの状態に合った対処が重要。


原因の特定にあたり、わんちゃんの様子を動画で撮影することを、お勧めします。
分離不安が原因の場合、問題行動は、ご家族の出発前から出発後約40分に見られることが多いそうです。

一方、退屈が原因であれば、ご家族が出発して、しばらく時間が経過してから。
撮影した動画を獣医さんに見せて、原因の確認と対処法をご相談ください。


最も効果的な予防法は、お留守番の前にしっかり運動をさせた上で、排泄と食事を済ませること。
なお、お留守番中の居場所は、自由に動き回れるエリアを、サークルなどで仕切って限定し、かじってはいけないものを中に置かない方が良いそうです。


愛犬を長時間お留守番させることに不安なご家族には、Furboが強力にサポート。
外出先からでも、お手元のスマホを通じて、お留守番中の様子を確認できます。
わんちゃんが動き出したらアクティブドッグ通知が通知されるので、外出先から声をかけて、おやつを与えることも可能。

いつでも、どこでも愛犬の様子を確認できる――お忙しいご家族の不安やストレスも、多少は軽くなるのではないでしょうか?


冒頭のミニピンちゃんは、パパさんの血圧を下げ、今はママさんのダイエットにお付き合いしているそうです。

愛犬と一緒に体を動かし、ご家族全員が健康増進!

令和は、そんなドッグライフが主流になるかもしれませんね。

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