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おるすわん図鑑 vol.17 ~アウトドア派にも、インドア派にもなれる!ボストンテリア~
2019/01/16

「・・・近い」
初めてドッグランでボストンテリアと接した際、思わず口から出てしまいました。



この犬種のアプローチは独特。

緊張や興奮した様子を見せず「ファースト・コンタクト(第一次接近遭遇)」が至近距離なのが特徴的。
フレンドリーながらゴールデンのように熱烈歓迎モードではなく、すっと相手の懐に入ります。

(ゴールデンレトリーバーについて、詳しくはこちららどうぞ!)

「社交上手だなぁ、大人だなぁ」と感心していると、ご家族は「でも、ドッグランの料金の元はとれないよ」と苦笑されていました。

入場直後こそ走り回るものの、「気が付いたら、他のわんちゃんの飼い主さんに撫でてもらってる。何のためにランに来たんだか。」「よくミニチュアダックスに遊びに誘われるけど、毎回スタミナで負けている。」なんてことも。

また別のご家族は、「ウチの子は男のくせに女子に対して意気地がない。女子に叱られる度にイジイジしてる。」とおっしゃっていました。

それでも他のわんちゃんとトラブルにならず付き合えるのは、この犬種良い点と言えるでしょう。

今回は、ボストンテリアの優れた社会性とその理由に迫りたいと思います。

気質




ボストンテリアは、ご家族に忠実陽気楽天的な性格。
ご家族のライフスタイルや居住環境に合わせて、アウトドア派にも、またはインドア派にもなるそうです。
いずれの場合も、彼らにとって、ご家族と一緒に過ごすことが一番の幸せとか。

一般的には「ブルドッグとテリアから生まれた」と言うと、テリトリー意識が強く、不用意に近づく相手を攻撃する怖い犬を想像されるようです。

実際には他犬種と変わらず、若い頃に他のわんちゃん達と積極的にふれ合わせることで、コミュニケーションを学び、大半のトラブルを回避できるようです。

彼らの社会性は、どこから来たのでしょうか?

この疑問の解明には、2016年に発表された研究結果がヒントを与えてくれるかもしれません。

この研究では、ボストンテリア51匹を含む犬達45種類67,368匹を対象として、体高・体重と頭の形状に焦点を当て心理テストを行うことで、それぞれの行動や気質の特徴を調査。
「頭の形状」は、頭蓋骨の長さと幅の割合から短頭種・中頭種・長頭種の3種類に分類。

(短頭種:ボストンテリア・ブルドック・シーズー
中頭種: ラブラドールレトリーバーコーギーポメラニアン・柴・チワワ
長頭種:ダックスフンドコリー・ハスキー
等)

テストでは、わんちゃん達に、例えばオモチャを与えたり、銃声や金属音を聞かせたり、さらには、アシスタントが幽霊に扮し近づいたりして、個々の反応を観察。
最終的に、大変興味深い結果が報告されました。

体高が低いわんちゃん達は、高いものより、見知らぬ人に対して攻撃的になることが多く、体高が高いわんちゃん達は、低いものより、比較的フレンドリーで協力的な態度や遊び心を見せました。

一方、体重の軽いわんちゃん達は、重いものに比べて、初めて見るオモチャを警戒し、幽霊や金属音を怖がる傾向があり、体重の重いわんちゃん達は、軽いものより、大胆で好奇心が強く、幽霊をじっと見つめる傾向が見られたそうです。

なお、体高が低く、かつ体重が軽いわんちゃん達は、突然現れるものや音などを怖がり、過度に興奮し、また人の注意を引こうとする傾向があることが分かりました。

短頭種は、中・長頭種に比べて、飼い主に対して注意を払い、犬同士より人に遊んでもらうことに興味を示し、幽霊の出現など理解に苦しむ状況では身構えたり、防御姿勢をとったりする傾向が見られました。
長頭種は、特に初めて出会う人とはオモチャで遊ぶことが少ない一方で、恐怖で震えあがることは少なく、幽霊の出現に対しても立ち直りが早かったそうです。


体高が低く、かつ体重が重い短頭種は、幽霊に対して攻撃的な態度を見せ、一方、体高が高い短頭種(特にオスのわんちゃん達)は、低いものより、初めて出会う人にも社交的かつ協力的で、ふれ合いや遊びを求める傾向が見られました。

体高が比較的高く、体重が軽い短頭種――ボストンテリアが該当する分類――は、短頭種の中で、初めて出会う人に対して最もフレンドリーだったそうです。

 

さらに、この犬種の誕生が近代だったことも、素晴らしい気質の理由と言えるでしょう。
すでに遺伝に関する知識や交配技術が進んでいたことから、ボストンテリアの役割が闘犬からペットに変化するにつれ、攻撃性は交配の工夫で削ぎ落されました
現代のニューヨークでは、この犬種はペット犬種の代表格となっています。

関連記事:人間とペットの現代のライフスタイルの基盤を築いたのはある英国女王!?

お留守番

 

海外での調査によると、分離不安の問題行動や症状を見せたボストンテリアは、比較的少ないことが判明しました。
(一般的な問題行動や肉体的な症状、対処法の詳細については、本ブログの過去の記事をご参照ください)。
とはいえ、この犬種も分離不安と無縁ではなく、分離不安の症状をみせたわんちゃん達もいます。

(1)具体的な問題行動

  • 吠える、鼻を鳴らす、遠吠えする
  • 壁や家具、靴などを齧る、新聞紙やラグなどを食いちぎる、トイレットペーパーやティッシュを噛み、まき散らす
  • 留守番中に排泄・食事をしない
  • ご家族の帰宅時に過剰に興奮する、失禁・排泄の失敗
  • 洗濯かごに入れた飼い主の衣服や靴を自分の寝床に持ち込む
  • ゴミ箱を漁る

(2)海外のご家族が実践されている対処法

  • クレートや預かり施設の利用
  • 別のわんちゃんを迎える(関連記事:上手に2匹飼いをする10の方法
  • 運動(ご家族のおでかけ前と後)
  • ご家族の出発前に特別なおやつを与える(おやつの入ったコング等)
  • お留守番中はTV、ラジオ、照明を付けておく
  • ご家族のニオイのついた服、毛布などを与える
  • 噛んで遊べるオモチャを与える
  • お留守番のトレーニング  
  • サンダーシャツを着用させる
  • ご家族がおでかけの時間を3~4時間を上限とする

(3)ボストンテリアのお留守番の特徴

ボストンテリアは、他犬種に比べてクレートや預かり施設の利用が多いのが特徴的。
特に預かり施設は、社会勉強を兼ねて、子犬の頃から積極的に利用されていました。
また、広いスペースで独り過ごすよりも、クレートの中の方が落ち着けるようです。
多くの場合、クレートの中で寝て過ごせますが、ドアを開けておくかどうかは賛否両論ありました。
ドアを閉めることで自宅内でのイタズラが減る一方で、短頭種ゆえに呼吸器疾患になり易く、夏は室温と庫内温度の管理が絶対条件となります。

この犬種で問題行動を見せるのは、圧倒的に子犬が多いようです。
1歳半~2歳頃までには、ご家族や自分自身のライフスタイルを理解するので、それまでに、お留守番のトレーニングを施せば、問題行動はかなり減ると言われます。
ご家族の出発に際して吠えるケースが最も多く、彼らが、ご家族のおでかけ準備から出発して30分程度の時間帯を静かに過ごせれば、ご近所迷惑にまで発展することは少ないようです。

多くのご家族が、おやつやコング(※犬用玩具。内側におやつを詰めることができる)にピーナツバターを詰めたもの等を与えて、わんちゃんの注意を逸らすように工夫されていました。

関連記事:子犬はクレートに入れても大丈夫?

(4)ボストンテリア最大の問題!?「花火

ボストンテリアにとって深刻な問題は、雷や花火などの恐怖。

恐怖により心拍や呼吸数、そして体温も急上昇し健康を害する可能性が高まります。
恐怖を一度経験すると、独り残されることを嫌がるようになり、成犬や老犬になった後でも分離不安の問題行動を見せることがあるそうです。
ボストンテリアには、年齢を問わずできるだけ恐怖体験を予防すること、また、孤独やストレスを感じさせないことが大切。

Furboのドッグアクティブ通知利用すれば、わんちゃんの様子をリアルタイムで確認でき、お手元のスマホから声をかけて安心させたり、おやつをあげることも可能。
ご家族からの「定時連絡」を楽しみに待つボストンテリアの様子をご覧ください。



・・・やっぱり近いですね。


 

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