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おるすわん図鑑 vol.11 〜 ご先祖は「ライオン・ドッグ」!シーズー 〜
2018/06/06

日本では、登録犬数で常に全体の10位内に入るシーズー。

モシャモシャの毛に包まれた愛らしい容姿や、気立ての良さが、多くのファンを惹きつけていることは、言うまでもありません。

近年は、単身世帯や、ドッグライフを経験してきた高齢者世帯が、シーズーを迎えられるケースが増えているそうです。

なぜ、この犬種が選ばれるのでしょうか?
シーズー特有の魅力は何でしょうか?


歴史

シーズーの歴史は、記録で確認できる限りでは1000年にも及びます。
ご先祖はチベットのラサ・アプソ。
勇猛で大型の番犬で、長い体毛などから「ライオン・ドッグ」とも呼ばれていました。
仏教とのつながりも深く、ライオン・ドッグはライオンに変身し文殊菩薩を背中に乗せて長旅をしたという言い伝えもあります。


また、ラサ・アプソは、チベットから中国皇帝に献上されました。
これらがパグやペキニーズと交配されて小型化され、現在のシーズーに近い姿に。
そして、西太后をはじめとする皇族に「獅子狗(シーズー)」と呼ばれ、ペットとして愛されました。


ヨーロッパ上陸は第二次世界大戦前。
シーズーを愛する一般女性達が個人レベルでシーズーの血統を確立し、ドッグショーに出陳。
多くのファンを獲得し、世界中の愛犬家に迎えられるようになりました。



気質

シーズーは、居住環境を問わず、小型で扱い易い上に、長時間の散歩や広い運動スペースも不要。
毎日のグルーミング、トリミングや医療面でのケアは欠かせない一方で、重大な問題行動は少なく、家庭犬として必要なしつけには、あまり苦労しないと言われています。


シーズーは、耳が良く周囲の変化を敏感に察知しながらも、ご家族が一緒ならば、比較的落ち着いていられます。
例えば、ガス機器の点検などで、見知らぬ人が自宅内に入る場合、最初こそ少々吠えても、5分後にはクッションに埋もれて、イビキをかいて寝るそうです。


シーズーが他のわんちゃんと上手く付き合えるかどうかは、若い頃の経験次第。
低年齢のうちに、さまざまなわんちゃんとふれ合ったことがあるシーズーは、小型犬種の中でも『神対応』を身に着けるとか。


初めて出会うわんちゃんでも、その状態を冷静に判断。
相手のテンションが高ければ、まず様子を見ます。
自分からは近づかず、驚いたことに引くこともありません。
その場に留まって、相手が自然に鎮まるのを待ちます。


はじめて出会う大型犬に対しても、臆せず正面から挨拶。
顔を挙げて、胸を張り、四つ足でしっかりと立って、静かに相手のわんちゃんの挨拶を受け入れます。
その姿は、小さいながら堂々として、謁見を受ける皇帝のようです。


長い目でみれば、長寿犬種であるシーズーと暮らすご家族にとっては、社会化よりも、健康管理の方が、大きな課題かもしれません。


「梅雨も散歩させたいけど屋外に出すのが怖い」というご家族には、カートのご利用をお勧めします。
雨に濡れ、また蒸気が上がる舗装道路は、わんちゃんをカートに乗せて、地面が土の場所まで移動。
短時間でも外の空気を吸い地面のニオイを嗅げば、気分転換になり、脳に刺激を与えられます。


この犬種には眼のケアが不可欠。
この時期は雑草や埃で角膜を傷つけることも多いと聞きます。

予防策として、犬用ゴーグルの利用も検討の価値があるかもしれません。



シーズーのお留守番

海外の調査によると、シーズーで分離不安の重篤な問題行動や症状を見せるわんちゃんは少数派。
(一般的な問題行動や肉体的な症状、対処法の詳細については、本ブログの過去の記事をご参照ください)。


とはいえ、この犬種も分離不安と全く無縁とは言えません。
シーズーが見せる分離不安による典型的な問題行動や症状は、以下の通りです。

  • ウロウロ歩く、鼻を鳴らす、高い声で鳴く、ベタベタとくっつきたがる、過剰なヨダレ、過呼吸、震え(ご家族の出発前)
  • 吠える(ご家族の出発時とそれ以降)
  • 教えられた場所以外での排泄、または排泄を全くしない、ゴミ箱漁り、体を過剰に舐める/齧る(お留守番中)
  • ベタベタとくっつきたがる、排泄の失敗(ご家族のご帰宅時)

この犬種に関して一番多い問題は、排泄の失敗です。
まずは、わんちゃんが成犬の場合、医学的な問題がないかを、動物病院でご確認ください。


わんちゃんが若ければ、失敗の原因は、まだ成犬の体に成長していないことや、自分の排泄リズムをまだ確立していないことに、あるかもしれません。


いずれにしろ、排泄の失敗で叱るのは逆効果。
かえってストレスを貯め、余計な我慢をして膀胱炎など別の問題を引き起こすかもしれません。


失敗を叱るのではなく、小さな成功を褒めて積み重ねることが大切。
シーズーは知能も比較的高く、自分が失敗して、たとえ叱られなくても「ママの布団で用を足すのは、どうやら歓迎されないらしい」と推察できます。


なお、「ゴミ箱漁り」は、分離不安から来るストレス行動とも、ヒマつぶしのイタズラとも考えられます。


分離不安への対処とイタズラの矯正とでは全くアプローチが異なるため、この確認は非常に重要。
分離不安の場合に叱ったり罰を与えたりすると、わんちゃんの留守番に対する恐怖やストレスが募り、問題行動や症状が悪化することも考えられます。


確認には、わんちゃんの様子を動画で撮影しておくと役に立ちます。
分離不安による問題行動や症状は、ご家族の出発準備から出発後約40分後までに集中的に発生。
一方、イタズラは、ご出発されてしばらくしてから。


撮影した動画を獣医さんに見せることで、効率的な診断と効果的な治療・対処が可能。
いずれの場合も、早期の発見と対処が鍵と言えるでしょう。



分離不安のシーズーの飼い主さんが実施されている対処法

  • お留守番トレーニング(短い距離と時間から始め、段階的に伸ばしていく)
  • 事前に15~20分の速足散歩、食事と排泄を済まさせる
  • ラジオやTVをつけたまま外出する
  • 玄関を出る直前にコングを与えて、注意を逸らせる
  • 外出先から自宅に電話してメッセージを録音する→わんちゃんが録音中のご家族の声が聞こえる
  • ラベンダーのアロマを炊く、サンダーシャツを着用させる、家族の使用済みの衣類を与える、コングやオモチャを与える
  • 帰宅後は、直ぐにはわんちゃんにかまわない
  • もう一匹、わんちゃんを迎える

なお、「お留守番の場所を、屋外が見える場所にする」については、個々のわんちゃんにより効果に差があるようです。


その一方で、すべての犬種に共通するのは、お留守番前の十分な運動、排泄と食事。
身体が疲れるとストレスが減り、お腹がいっぱいになれば眠くなり、孤独に対するストレスを感じる時間が短くなります。


さらに、今回の調査で発見がひとつ。
シーズーと暮らす多くのご家族が、わんちゃんに留守番をさせることに、強い不安や罪悪感があることです。


直接お話を伺ったご家族だけでなく、海外のファンサイトでも「多分6時間くらいは留守番できるだろうけど、私の方が心配で・・・」というコメントを多く見かけました。


この点で、Furboがお役に立てるかもしれません。
外出先からわんちゃんの様子を確認し、声をかけ、おやつを与えられます。
留守電メッセージでは、わんちゃんの反応まで分かりませんが、Furboなら双方向のコミュニケーションが可能。


シーズーは、寝ていても、ご家族の呼びかけに耳をピクッと持ち上げ、立ち上がり、尻尾を振りますね。
大好きなご家族の声を、手を、愛を、いつもいつも待っています。

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