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おるすわん図鑑 vol.7 〜ミニチュアシュナウザー〜
2018/02/21

立派な髭とアンテナのようにピンと立つ短い尻尾。
ミニチュア・シュナウザーが胸を張って立つ姿は、堂々として落ち着いた英国紳士を思わせます。

一方で、一緒に暮らすご家族は「イタズラ好き」「おっちょこちょい」「甘えん坊」と仰います。

外見と中身は違うのでしょうか?
この犬種にも、私達がまだまだ知らない魅力がありそうです。


歴史



シュナウザーはドイツ生まれ。

元々は現在のスタンダード・タイプ(中型犬)の体格で、15世紀頃には牧羊から荷車での運搬まで多様な作業に携わり、中でも害獣駆除犬や番犬としては非常に優秀で農場の有能な働き手として重宝されました。

ネズミの駆除のため小型化が進められ、19世紀後半にミニチュア・シュナウザーが誕生。
扱い易く遊び好きな気質から、ヨーロッパや北米を中心にペットとして人気を博すようになりました。


気質

ミニチュア・シュナウザーは、都会でも田舎でも、また住宅環境に関わらず生活できると言われています。
しかし小さな体はエネルギーの塊。
運動不足や退屈からイタズラをすることでも有名だそうです。

極端な例では、ミニシュナがウッドデッキの下に潜り込んで動けなくなりました。
飼い主さんが懐中電灯で出口方向を示したところ、ワンちゃんが遊びと勘違い。さらに奥に掘り進んでしまったので、消防隊に出動を要請する羽目になったとか。

この犬種は、住宅地のお散歩もドッグランで走るのも好きですが、他のワンちゃんとふれあうことよりも刺激になることがあります。

それは自然とのふれあい。
ご近所の猫や池の水鳥を見るとき、ミニシュナの尻尾と耳はピンと立ち、五感を研ぎ澄ませて相手を観察。
こんな時は「さぁ、行こう」と声をかけられても動こうとしません。


一番喜ぶのは森林や低山でのハイキング。
周囲のニオイを嗅ぎ小枝を拾い、ご家族の顔を見上げるとき、ワンちゃんは満面の笑みを浮かべ尻尾をピクピク。
そして十分運動して全身で自然を感じた後は、ぐっすり寝てくれます。

ミニシュナは、シュナウザーの他のタイプに比べて「テリアに近い」そうです。
快活で勇敢、好奇心旺盛。
遊びが大好きで家族に対して忠実で愛情深い。
その一方で、主導権を握りたがり指示されるのが嫌いで、独立心や警戒心が強く頑固。
ドッグ・トレーナーさんに言わせると、しつけの面では「最初が肝心」。

ご自宅に迎えられたら家のルールをしっかりと教え、ご家族全員が一貫した態度で接することが大切だそうです。

観察力と洞察力に優れ、教えられたことも、教えられないことも直ぐ覚えます。
幸い、他犬種と同様に食べ物が強力なモチベーター。
ルールを教える際には、おやつやフードを使い「トレーニングは短く明るく楽しく」が成功の鍵。

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近年、ミニチュア・シュナウザーは、ご家族にアレルギーを起こさせ難いという理由から、日本でも特に小さなお子さんがおられるご家庭で、ペットとして迎えられるようになりました。

これを受けて、一部のブリーダーさんは、ミニチュア・シュナウザーと乳幼児のふれあいは、大人の監視の下で行うように注意されています。

人との暮らしをある程度経験したワンちゃんなら、相手を本気で噛んで傷つけることは、まずありません。
それでも、アクシデントは可能な限り避けたいもの。
その意味でも、ワンちゃんに対するしつけと大人による監視は不可欠です。

ご家族にとっては、ワンちゃんを迎えられた当初、何かと教えることが多く大変でしょうが、基本的なルールを教えるには、早い段階の方が後で矯正するよりも労力も時間も少なくて済みます。

人間側がリーダーシップを確立すれば、ワンちゃんの精神的な安定にもつながると言われます。
ご家族全員が笑顔でワンちゃんとの暮らしを楽しんでいただきたいものです。


ミニチュア・シュナウザーとお留守番


ある海外での調査によれば、ミニチュア・シュナウザーの約半数に分離不安の症状や問題行動が見られ、数字だけを見ると他犬種と大きな差異はありません。
しかし、この犬種には、分離不安に関してかなり個体差があるようです。

(一般的な問題行動や肉体的な症状、対処法の詳細については、本ブログの過去の記事をご参照ください。)


症状や問題行動が深刻で、仕事中はワンちゃんを車の中で待機させたり、また転職されたりと、ご家族がワンちゃんに合わせざるを得ないケースがありました。反対に「分離不安の兆候は全くない」と仰るご家族も多く、中には「平日は8時間程度の留守番をさせるけど、家族がいないことに気が付いていないみたい」というケースも。


ミニチュア・シュナウザーの分離不安による典型的な症状または問題行動

  • 吠え続ける、鳴き続ける(ご家族の出発準備開始~出発後)
  • 噛んではいけないもの(例:家具やドア)を噛む、爪で引っ掻く(ご家族の出発後)
  • 排泄の失敗、食欲不振(ご家族が不在)
  • 身体を舐め続ける、自傷(ご家族が不在)
  • フェンスの下を掘る、脱走(ご家族が不在でワンちゃんが屋外でお留守番)
  • 過剰な興奮(ご家族が帰宅時)
  • 外出したがらない、家の中で家族について回る、家族がバスルームなど見えない場所に入ったら鳴く(ご家族が在宅時)

ミニチュア・シュナウザーと暮らすご家族が推薦する対処法

  • 特に子犬の場合――使用済みの飼い主さんのニオイのついた服、噛んで良いぬいぐるみやオモチャ、湯たんぽ、秒針が進む音が聞こえる時計などを用意
  • 外出時に、ラジオや電灯をつけておく
  • クレートに入れる(留守番時間の長さや個々のワンちゃんの性格にもよります。ご注意ください)
  • コングにピーナツバターなどを入れて与える

なお、分離不安のミニシュアへの対処として、

  1. ワンちゃんをもう一匹、家族に迎える
  2. クレートに入れる
  3. ワンちゃんの預かりサービスまたはペットホテルを利用する

ことについては、意見が分かれます。

個々のワンちゃんの性格や社会化の程度などにより、効果がある場合も、逆効果になることもあるようです。
ご留意ください。

分離不安のミニシュナで一番多い問題が「声が枯れるまで鳴く」。
元々よく吠える犬種なので無理からぬことですが、ご近所迷惑に発展しかねないため、多くのご家族の悩みになっています。

通常、吠え癖の矯正トレーニングは、ワンちゃんが吠えた(または、吠えようと思った)瞬間に、ご家族がその場で注意するのが最も効果的。
しかし、ご家族が家を離れていては、リアルタイムで注意することは、まず不可能と言って良いでしょう。

また、分離不安のミニシュナに意外に多いのが「排泄の失敗」。
普段は完璧なのに、お留守番中には、教えられた場所以外で排泄してしまうそうです。
これは一種のストレス行動と言えるでしょう。

運動により、ワンちゃんにストレスを解消させ、分離不安の症状や問題を起こし難く、また軽減することができます。
ワンちゃんがお留守番の前に十分に運動して、ご家族の出発直前に排泄と食事を済ませ、独りの時間をできるだけ寝て過ごさせるのが最も効果的。

その上で、ご家族が出先からFurboの機能を使ってワンちゃんとコミュニケーションをとり、問題行動を抑え、正しい方向に導き、また安心させてあげれば、お留守番のストレスは減るのではないでしょうか?

あるママさん曰く「トリミングにお金はかかるし、小型犬なのに散歩時間は長いから大変。でも毎日笑わせてもらって私も元気でいられる。」

これからもワンちゃんと笑顔で元気な毎日を!

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