自分の時間がブランのための時間になるし、大変なこともありますが、それ以上に幸せが増えました。
ー中略ー
良い意味でブランから色々な影響を受けてます!
どうしても飼ってほしいと言うのはどうなのかなと思いますけど、飼って後悔は絶対ないと言い切れます。
チワワは日本の犬種別登録頭数で約20年にわたり常に上位を維持。
根強い人気の理由として日本の住環境への適合性や持ち運びの簡単さ、飼育コストの経済性、高齢者でも飼育可能なことが指摘されてきましたが、体毛の長さや色の豊富さから近年は「インスタ映え」も理由のひとつとされています。
しかし、これらは飼い主側の都合や社会の変化、ブームでしかありません。
チワワの本当の魅力は、どこにあるのでしょう?
歴史
チワワの発祥地はメキシコのその名もチワワ州。
ピラミッドや遺跡にはチワワに似た犬を描いた作品が多く残り、遅くとも9世紀には先祖であるテチチ犬が存在していたと考えられています。
テチチ犬はマズルが細長く短毛の狐のような姿で、現地の人々にとっては食料。
すでに純粋なテチチ犬は存在しないため、どのような変遷を経て現在のチワワになったのかは明らかではありません。
ご先祖様は骨太のガッチリとした体格で、これと他犬種との交配でできた犬は主に番犬として利用され、さらに1900年代に小型化が進められて現在のチワワになったと考えられています。
チワワが米国の人気犬種にランクインしたのは1960年代半ば。
この頃には、人々の間でペットに関する考え方が広まり定着し、大都市で屋内飼育に適した小型犬が求められ人気を得ました。
気質
チワワは「誤解され易い犬種のひとつ」と言われています。
大きな耳を立て飛び出た目を見開いて体を震わせる姿は、いかにも臆病者。
かぼそい足は頼りなくおよそ運動には不向きに、また飼い主に体を寄せ抱っこをせがむ様子はまるで座敷犬に見えます。
この犬種は見知らぬ人・犬・ものに対して警戒心が強いですが、必ずしも臆病ではありません。
群れやテリトリーの意識が強く、見知らぬ来訪者に対して歯を剥き威嚇して自分の家族(=群れ)を守ろうとします。
また仲間意識が強く、初めて出会うチワワに対して多くの場合フレンドリー。
相手の体を舐めるなど親愛の情をスキンシップで示すのが特徴的。
他犬種に対しても自分から近づき積極的に挨拶する社交家の一面もあります。
また、走ったり野山を散策したりと屋外活動も好きで、短頭種の中では比較的暑さに強い犬種。
反対に寒さには弱いため、ぬくもりを求めてご家族や同居ペットに寄り添うことが多いです。
あるブリーダーさんは「チワワは犬らしい犬」と言います。
体は小さくても家族の中にリーダーがいないと判断すれば自分がリーダーになろうとします。
実はタフな根性の持ち主で、家族の中で下剋上を狙って自己主張し、それが許されると相手を本気で噛むなど攻撃性に発展。
他犬種と同様に、しつけを通じて共存生活上のルールを教える必要があるそうです。
相手がご家族でも、一部のチワワは嫌なことをされると感じると、または単に近づかれるだけでも歯を剥き噛みつくことがあります。
チワワが人を噛むアクシデントは意外に多く被害者の大半が5歳以下の幼児。
また特定の大人に対しては従順でも、その他のメンバーに対して態度を大きく変えることがあり、群れのヒエラルキー(階級)意識が高いことがうかがえます。
しつけ
屋内排泄や生活上のルールや人との接し方など、チワワのしつけには他犬種に比べて時間がかかるそうです。
ご自宅に迎えられたらできるだけ早期に開始し、ワンちゃんが失敗しても罰を与えるのではなく小さな成功を見逃さずに褒めることが大切。
褒める時は声のトーンを上げるのがコツ。
またしつけには、ご家族全員が関わることが理想。
これは、チワワが特定のメンバーに従う傾向があり、その方のコマンドには従っても他の方には従わないということを防ぐためでもあります。
犬が必要とするしつけとケアを与えれば、時間はかかっても家族の素晴らしいパートナーに成長するそうです。
お留守番
チワワの飼い主さん達は「分離不安のワンちゃんが非常に多い」と言います。
この犬種に多く見られる分離不安の問題行動や肉体的な症状は、以下のとおりです(一般的な問題行動や肉体的な症状、対処法の詳細についてはこちらからご覧ください)。
過呼吸・大量のヨダレ・失禁・失神・声が枯れるまで鳴く・教えられた場所以外で排泄する・ゴミ箱を荒らす・クッションや布を噛み引き裂く・異常な興奮・ご家族に抱いてと吠え、飛びついて要求
これら問題行動や症状は、ご家族がおでかけの準備を始められてから出発後約40分の時間帯に発生し易いため、ワンちゃんの様子を動画撮影して「どのタイミングで、どのような行動/症状が見られるか」を確認すると、獣医さんの診断もご家族の対応でも非常に役立ちます。
なお、分離不安に悩む海外の飼い主さん達の話を集約すると、共通する原因や要因は非常にはっきりしていました。
まず、ワンちゃんが虐待・飼育放棄・保護を経験している場合、またご家族・生活環境が変化する場合。
幸いこれらの事例の大半で、彼らが新しい家族・環境に慣れるとともに問題は自然に解決できたと報告されています。
次に、ご家族の日常の行動・態度が誘発するケース。
「それじゃ、ママはお仕事に行ってくるね。ママがいなくて寂しいだろうけど我慢してね。ママも●●ちゃんがいないと寂しいよ。良い子でお留守番していてね。帰ったら美味しいおやつをあげるからね。ママは●●ちゃんのことが大好きよ。」
「●●ちゃん、ただいま!良い子にしてた?ママがいなくて寂しかった?ママも寂しかったわ。直ぐにご飯にするからね。今日は●●ちゃんの好きなおやつもあるよ。」
ご家族がおでかけや帰宅の際についついやってしまうのが、このような「別れの儀式」や「お迎えの儀式」。
しかし、これは分離不安には逆効果。
ワンちゃんは注目や愛情を注がれ喜びを感じても、ご家族が玄関を出た次の瞬間から寂しさを味わうことになり、感情の大きな落差によりリーダー(家族)の不在を余計に意識し不安やストレスを募らせます。
また、帰宅した飼い主さんにワンちゃんは喜び興奮しますが、帰宅直後にかまわれると興奮がさらに高まり、待つことが非常に大変なことだと認識してしまうそうです。
飼い主さん達からのアドバイスは以下のとおり。
前述のブリーダーさんの「犬らしい犬」という言葉は「相手が犬だということを忘れずに接してください」ということかもしれません。
心と体の健康には、日常生活での接し方が大事。
犬という動物のニーズを満たしてあげれば長くアクティブに過ごせることでしょう。