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あなたの愛犬は大丈夫?犬が抱える「分離不安」とは・・
2017/03/29

「犬の飼い主さんを悩ませる三大問題は、分離不安・興奮・攻撃性」と、アメリカのある有名なドッグトレーナーの言葉。

今回は以前、犬のうつ病に関連して少しふれたので、「分離不安」を採り上げたいと思います。

 

分離不安とは

ペットのワンちゃんが、独りで過ごすことに対して抱える不安です。

ご家族の勤務形態の変化・引っ越し・別れなど、環境や生活が変化する際、彼らも、人間と同じく多かれ少なかれストレスを受けるもの。

多くの場合は、23か月で適応しますが、ストレスが大きすぎると、問題行動や体調の異変に発展することもあります。

 

【典型的な問題行動や症状】

 吠え続けるパニック・昏倒・痙攣

 教えられた場所以外での排泄・失禁・食糞

 家(主に玄関ドアや窓)や家の中にあるものを噛む/破壊(特に年齢の若い犬)自傷

 震え・大量のヨダレパニック・昏倒・痙攣

 ウロウロと歩き回る

 しつこく自分の体を舐め続ける自傷・皮膚炎

 ドアの前に立ちはだかり、家族を家から出さないようにする

 攻撃的になる

 しつこく穴を掘ろうとする自傷

 脱走自傷

 

分離不安の見極めには

愛犬家の皆さんは「ウチの子も同じことをして、てっきり退屈なだけと思っていたけど分離不安なの?」「体の問題と思って検査してきたけど、心の問題なのかしら?」と思われるかもしれません。

行動や症状の痕跡だけを見ても、分離不安か退屈凌ぎのイタズラかどうかを見極めるのは大変困難です。

ご家族が在宅と不在の両方で、ワンちゃんの行動を確認する必要があり、これにはビデオ録画が役に立つと言われています。

 

一般的に分離不安の問題行動は、ご家族がでかける度に、また、でかける準備(お化粧や車のキーを取り出す等)を始めてから自宅を出る直後までの時間に集中して、発生します。

一方、退屈の場合は、ご家族が自宅を離れた後、しばらく時間をおいてから行われる『計画的なイタズラ』と言えるでしょう。

 

判断が難しいのは「排泄の問題」。

さまざまな原因が考えられるので、まずは診断で医学的問題の可能性から考え除外することを、お勧めします。

また、失禁の場合、意図的なものか、自覚があるか、どんなタイミングと状況で起こるかを見ながら、可能性を絞り込んでいきましょう。

「意図的ではない、または自覚がない失禁」とは、おねしょや、歩いている間等に無意識にポタポタこぼすことで、加齢を含む医学的な問題と考えた方が良いかもしれません。

排泄の失敗は、原因に関わらず、叱ったり罰を与えたりしても解決しません。

ましてや分離不安が疑われる場合には禁物。不安から発生する問題行動は、不服従の意志表示ではなく、対処を間違えると、かえって不安を募らせ、症状や行動が悪化します。

 

分離不安が引き起こす症状や問題行動は、ワンちゃんの年齢が上がるにつれ、改善・矯正が難しくなるそうです。

個々のワンちゃんに合った対処法を選び、悪化する前に手を打ちたいものです。

 

主な対処法

 トレーニング

大半のケースは、トレーニングで解決・改善が見込めるとか。。

ドッグトレーナーの指導を受ければ、個々のワンちゃんの性格・生活のリズムや環境全体を客観的に見直し、無理のないトレーニングが可能。

ご家族も安心できる上、かえって時間短縮になることもあります。

 

 預かりサービスの利用

誰でも良いから人が一緒にいれば、お留守番ができるワンちゃん向けの対処法。

ただし、自宅以外の環境や、家族以外の人や他のワンちゃんの存在がストレスにならないことが前提です。

預かり中に、散歩やアクティビティーを提供する施設もあります。

 

 サプリやハーブ、漢方療法、マッサージ

薬物より安全とされている一方、効果が科学的データにより証明されたものは少ないことに、ご留意ください。

これだけで問題を解決するのではなく、トレーニング等を補強するものと考えた方が良いかもしれません。

 

 投薬

多くの場合、人間にも処方される薬を使用します。

服用は通常6か月~1年で終了します。ワンちゃんの症状や持病などにもよるため、獣医さんの診断と処方が必要です。

 

また、複数の組み合わせ(例:預かりサービス+トレーニング)で相乗効果を上げることも、検討の価値があるのではないでしょうか。

 

子犬を迎えられるご家族は、最初にじっくり時間をかけて、お留守番に慣れさせることをお勧めします。

また、クレートを「安心できる場所」と理解させれば、万一の入院時や災害時にも役立ちます。

 

ワンちゃんの寿命も15歳に届く時代。

その間、ご家族や環境・生活に何も変化が起こらない方が、珍しいかもしれません。

分離不安は手間と時間をかけて解決するしかないけれど、一緒に乗り越えられれば、ご家族とワンちゃんとの間に、より良い関係を築いていけることでしょう。

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